医療関係者
腎臓の機能が低下している場合、主に腎臓から排泄される薬を使用すると、「通常」の用量では多すぎるため、中毒性の副作用を起こすことがあります。このため、個々の患者の腎機能を把握し、用法・用量の調節を行うことが必要です。また、薬剤性腎障害よる腎機能悪化を防止することも必要です。このように、薬物療法において患者の腎機能を把握することは重要で、患者に使用する薬が、その腎機能の状態で使用に問題ないかどうか、用法・用量の調節は必要ないかを判断する必要があります。
本事業では、薬剤師と医師が連携し、個々の患者の腎機能情報に応じた、より安全・安心のできる質の高い薬物療法を提供することを目的としています。
具体的には、薬剤師は、患者の「身長」、「体重」、「血清クレアチニン値」、「年齢」「性別」の情報を入手し、個々の患者の腎機能を評価し、処方医の協力の下、患者の腎機能に応じた薬剤の選択、用法・用量の調整を行うとともに、より適切な服薬指導を行います。
本事業の実施にあたって、研修会テキストを作成しました。患者の腎機能の評価、腎機能低下時の薬物療法について、総論と各論に分けて記載しています。日常の診療においてもご利用いただける内容としています。ぜひ、熟読いただき、参考にしていただければ幸いです。
CKDテキストのダウンロード
本事業の実施手順
- ①処方せん受付時に、患者様より、「身長」「体重」「血清クレアチニン値」を聞いてください。「身長」「体重」が不明な場合は、おおまかな値で結構です。「血清クレアチニン値」が不明でも、「eGFR」や「CCr」が分かっている場合は、報告してください。
- ②専用のホームページまたはテキストを参考に、腎機能を評価してください。
- ③②の結果をもとに、処方せんの対応をお願いします。
- ④該当項目を入力または記載していただき、送信またはファクシミリで県薬へ送ってください。
上記の実施手順について不明な場合は、長崎県薬剤師会へご連絡ください。